【コーヒーの王様に迫る!】ブルーマウンテンはなぜ高いのか?おいしいブルマンの選び方も徹底解説!
こんにちは。突然ですが、皆様、ブルーマウンテンコーヒーを飲んだことがありますか?
超有名なので名前は聞いたことがあると思いますが、いかんせん、お高め💦なので、知名度のわりに、実際に飲んだことがある方は意外と少ないのかもしれません。
ちなみに、お高いってどれくらいかというと、一般的なスペシャルティコーヒーと比べてざっと10倍くらいが相場でしょうか。価格は年によって変動しますが、仕入れの生豆(焙煎前の豆)の状態でも大体10倍くらいの価格なので、店頭に並ぶと、まあ、それなりのお値段にはなります。
それでも一定のファンがついていて、「コーヒーはブルマンじゃないと!」というこだわりを持つ層がいるのも事実。
そういえば、個人的に大好きな森見登美彦先生の『有頂天家族』に登場する天狗先生も、確か「コーヒーはブルマンしか飲まない」とのたまっていたような気がします。
こんな感じで、小説や映画にさりげなく登場してくるのも憧れの存在となった理由の一つかもしれません。
高級コーヒーの代名詞であり、コーヒーの王様👑とも呼ばれるブルーマウンテン。
では、一体なぜそんなにお高いのでしょうか?
そりゃあ、すっごく美味しいからでしょ❓❓
と思われるかもしれませんが、実は・・そういうわけではありません!
もちろん、美味しくないわけではありません💦。
美味しいですよ。個人的な感想としては、すごくインパクトが強いというより、非常にバランスがよく上品な味わいのコーヒーです。コーヒー界の優等生、みたいな。
わりと日本人が好きなタイプのコーヒーだと思います。
実際、ブルマンの輸出先は、ほとんど日本🗾だったりします。
一時は、95%以上が日本なんて時代もありました😲。もはや、日本でしか飲めないコーヒーといっても過言ではないくらいですね (^_^;)。。今では、そこまでではないですが。
調和のとれた味わいが愛されたというのもありますが、ブランド志向な国民性も日本人にハマった理由かな~と思います。
- 良く言えば、「高くてもいいものは評価し、お金を出す」
- 悪く言えば、「ブランドものに弱い」
そんな日本人の一面が、ブルマン信仰を生んだのかもしれませんね。
しかしですよ、美味しいコーヒーはほかにもあります。
それなのに、なぜブルマンだけが高いのか・・!?
主な理由はズバリ、、希少価値が高いから!!
では、どうしてブルーマウンテンは希少価値が高いのでしょうか?
ブルーマウンテンの希少価値が高い理由って?
☕ その1. 栽培エリアが限られている
そもそも「ブルーマウンテンってなんぞや」というと、その名の通りブルーのマウンテン、つまり、山の名前です⛰。
霧が出ると山が青みがかって見えることから名付けられたブルーマウンテン、どこにあるかというと、カリブ海に浮かぶ国・ジャマイカです。
お気づきの通り、このブルーマウンテンで育ったコーヒーがいわゆるブルーマウンテンコーヒーなのですが、実はそれだけでイコール、ブルーマウンテンというわけではありません!
というのは、ジャマイカ政府が、ブルーマウンテンを名乗っていいコーヒーの条件を定めているのです。
その条件とは、ブルーマウンテン山脈の標高800~1200メートルで栽培されたコーヒーであること。
つまり、標高800メートル以下や、似たような生育環境の近隣の山脈で栽培されたコーヒーは、ブルーマウンテンとして売ってはいけないことになっているのです。
そのため、ブルーマウンテンの名を冠したコーヒーは、数が限られているというわけです。
ちなみに・・
ブルーマウンテンエリアより標高が低い所で生産されたコーヒーは「ハイマウンテン」と呼ばれます。生育環境が大きく異なるわけではないので、ブルーマウンテンのいとこ的存在となっています。
ブルーマウンテンよりは価格が抑え目なことが多いので、もしかしたら掘り出し物がみつかるかも!?
☕ その2. 機械による生産が難しい
上記のように栽培エリアが限られているブルーマウンテンコーヒー。
指定エリアは標高が高く急斜面のため、機械を入れることが難しく、どうしても人の手による作業が多くなります。
平坦な場所にある農園では、機械による収穫も可能ですが、ブルーマウンテンは、一粒一粒完熟したコーヒーチェリーを手摘みによって収穫する必要があります。
立地的に大量生産が難しい点も、ブルーマウンテンの生産量が少ない理由なのです。
☕ その3. 育てるのが難しい
ブルーマウンテンは、ほとんどがティピカ種という品種です。
ティピカ種というのは、アラビカの原種に近い古い品種です。
とてもクリーンな味わいの高品質なコーヒーができるのですが、その反面、病害に弱く、育てるのが難しかったりします(>_<)。
そのため、病気に強く大量生産しやすいように品種改良が進んでいき、多くの農園が育てやすい品種へと生産を切り替えていった結果、ティピカを育てる農園は世界からどんどん減ってゆき、希少な品種となってゆきました😢。
しかし、スペシャルティコーヒーブームが起こってから、ティピカの品質の高さが見直され、現在では高級コーヒーとして栽培が増えてきています。
そんな歴史を持つティピカ、年によっては、病害で生産量激減😨、みたいなことも起こってしまうのです。
☕ その4. ハリケーンの襲来!
カリブの海賊、美しい海、南国リゾート、などなど夢のようなイメージのあるカリブ海ですが、いいことばかりではなく、8~11月のシーズンになるとハリケーンが発生することでも知られています。
ハリケーン襲来により、時にはコーヒー農園、農家さんも被害にあってしまうことがあります。
地理的にハリケーンの影響を受けやすいジャマイカでは、被害によって収穫できない年もあり、市場にまったく出回らない、なんて事態になってしまうこともあります😨。
そんなこんなで・・
ブルーマウンテンは生産できる数量が限られている ⇒ 希少価値が高くなる ⇒ 良くも悪くもブランドコーヒーとしてありがたがられる、という構図になっているのでした。
ブルーマウンテンの選び方
さて、せっかくだから一度くらいは飲んでみたいブルーマウンテン。しかし、選ぶにあたっては、いくつか注意したいポイントがあります。
☕ ポイント1. ストレートとブレンドがある
コーヒーには「ストレート」と「ブレンド」があります。
「ストレート」は、同じ地域で作られたコーヒー、「ブレンド」は異なる地域や原産国のコーヒーを数種類混ぜたコーヒーを指します。
一般的にブルーマウンテンとして売られているコーヒーには、ストレートのブルーマウンテンとブルーマウンテンブレンドがあります。
ブレンドは、他の豆と混ぜられているため、配合の比率によっては、ブルマンより他のコーヒーの方が多めに入っているということもあります。
ブレンドにはブレンドの良さもあるのですが、ブルーマウンテンの風味を純粋に味わいたい時には、100%ブルーマウンテンのストレートを選ぶのがおすすめです。
さらに言うと、ストレートの中にはシングルオリジンといって単一農園で作られたコーヒーがあります。
ストレートコーヒーは、ブルーマウンテンエリアのいろんな農園、農家さんの作ったコーヒー豆が集められているので、いまいち個性が出にくかったり、品質にロットごとのばらつきがあったりしますが、単一農園ものは、100%同じ農園で作られたコーヒー豆なので、農園ごとのこだわりが感じられるという良さがあります。
そうは言っても、いきなりストレートやシングルオリジンは敷居が高い(>_<)という方は、まずは手ごろなブレンドから試してみて、ブルマンの風味が気に入ったら、ストレートや農園ものへと進んでみるといいと思います。
☕ ポイント2. グレードに注目! No.1って何?
ブルーマウンテンは、ジャマイカの農水省が管轄する機関によってグレード(規格)が定められています。
豆の大きさ、欠点豆の混入率、水分含有量、栽培方法などなど、数々のチェックを経て、No.1、No.2、No.3 、ピーベリーなどにグレード分けされています。
最も品質が高いのがNo.1で、ストレートで売られているのは大体No.1グレードです
No.4以降はないので、もし見つけたらわかりやすく偽物でしょう。
ちなみに、ほとんどの生産国ではコーヒーを麻袋で出荷するのですが、ブルーマウンテンは唯一、樽で出荷されます。この辺もブランドっぽいですね。ちょっとインテリア感もあります。
しかしこの樽、実は開け口らしきところがないのです。力業で蓋を割るしかなくて、開けるのは結構大変だったりします・・💦。
☕ ポイント3. 収穫された年に注意!
基本的に生産量が少ないブルーマウンテンですが、もちろん豊作の年もあり、まとまった数量を輸入できることもあります。
しかし、お値段お高めのため、バンバン飛ぶように売れるということはなく、他のコーヒーと比べると、動きが鈍かったりします。すると、在庫がはけ切らないうちに、翌年の新しい豆が入荷してきます。
こういう場合は、古い豆を売り切ってから、新しく入荷した豆に切り替えるので、収穫されてから年数が経っている豆が出回ってしまうこともあります。
まあ、基本的にそんなに多くは収穫できない豆なので、そこまで在庫がだぶだぶになることは稀ですが💦。。
ワインや熟成肉のように、コーヒーの世界にもエイジドコーヒーといって “ 寝かせて美味しくする ” という考え方もなくはないのですが、基本的にはコーヒーは農作物ですので、新鮮な方が美味しいです。
いくらNo.1のブルマンでも、こだわりの豆であっても、古いと品質が劣化してしまい、本来の味を楽しめなかったりします。
ですから、収穫された年をチェックして、なるべくフレッシュな豆を選ぶのがおすすめです!
☕ ポイント4. 価格をよく見る!
それなりにお値段が張るブルーマウンテン。
消費者にとって、低価格で買えるのは嬉しいことですが、ブルーマウンテンの場合、あまりにもお安く売られている場合は、ちょっと注意が必要です。
もしかしたら、ブルマンがほとんど入っていなかったり、すごく古かったり、偽物だったり、、、安いのには何かしら理由があるかもしれません(>_<)。
安物買いの銭失いにならないように、ご用心!
逆に、値段がすごく高くなっていることもあります。
病害や気候変動の影響で市場に出回らなくなると、価格が高騰することがありますが、高い = 美味しいではないので、価格に見合っているかどうかは考えどころです。
美味しいコーヒーはほかにもあるので、価格が落ち着くまで様子見もアリですね。
最後に
名前は有名ですが、仕入れるのも大変だったりして、意外と置いていないコーヒー屋さんも多いブルーマウンテン。
味と価格が釣り合っているかと問われると難しい所ではありますが、ブランドってそういうものかな、という気もします。
ブランドは、ブランド化することに成功してしまえばそれで勝ちではないでしょうか。ブルマンは確かにブランド化には成功したと思います。そして運よく日本人に刺さった。しかし当然、そこに胡坐をかいていればお客は離れていくわけで。。
高級コーヒーといえば、一昔前まではブルマン一強でしたが、今はそうでもなく、実のところ、もっとお高いブランドコーヒーも出現しており、ブルマン危うし!?
そんな今だからこそ、古き良き高級コーヒー・ブルーマウンテンに注目してみるのも一興かもしれません。
美味しいブルーマウンテンは、黄金バランスと呼ばれるほど、調和のとれたカップが楽しめます。
ハマる人はハマるブルーマウンテン、出会う機会があれば、ぜひ一度飲んでみてください。