【サスティナブル】オーガニックとの違いは?フェアトレードって?認証コーヒー徹底解説!
サスティナブルという言葉、最近よく耳にしませんか?
コーヒーの世界でもサスティナブルコーヒーという言葉があります。なんとなく地球に優しそうでよさげな響きですよね🌎。
でもでも、「それって要するにオーガニックのことなの?」とか、「フェアトレードってやつとは関係ないの?」などなど、微妙ーによくわからない部分があったり、なんとなくふわっと理解している部分もあるんじゃないでしょうか?
そこで今回は、サスティナブルなコーヒーについて、わかりやすくご紹介したいと思います。
サスティナブルコーヒーとは?
サスティナブル【sustainable】とは、「持続可能な」という意味です。
つまり「現在だけではなく未来のことも考えて、ずっと続けていける生産活動をしようではないか」という取り組みです。
持続可能な農業をしていくためには、自然環境はもちろん、作り手の経済面や、買い手の安心安全など、色々な押さえるべきポイントがありますよね。
サスティナブルな取り組みとは、これらのポイントを包括した総称で、どのポイントにフォーカスしたかにより、オーガニックやフェアトレードなど、いくつかの認証に分けられるというわけです。
認証というのは、その名の通り証しです。
いくら「うちは環境に配慮してます!」と主張されても、それが本当かどうかはわかりませんよね🤔。いや、疑っちゃ悪いですが、、実際に詐称する悪い業者も残念ながら存在します。
そこで、第三者が監査を行って「お墨付き」を与えようというのが認証制度です。
認められると認証マークが商品に付けられるので、消費者にもわかりやすいですね。
ここで、主な認証についてご紹介していきます。
有機JAS認証
有機(オーガニック)とは、 化学肥料や農薬などを極力使用せずに、自然の恵みを大切にした農業や栽培法、水産業、畜産業、加工方法全般を指します。
JAS法(日本農林規格等に関する法律)に基づいて規格が定められており、そこで示されたルールを守って生産された食品だけが、有機JASマークを付けることができます。
ちなみに有機農産物の基準は、
- 堆肥などで土作りを行っている
- 水耕栽培やロックウール栽培ではなく、土壌を用いた農業生産を基本とする
- 環境への負荷をできる限り低減した生産方法
- 種まき、または植え付けの前2年(多年生の場合は3年)以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない
- 遺伝子組換え技術を使用しない
などです。
オーガニックは、食の安全という点に注目がいきがちですが、それだけではなく、環境の点でも持続可能な農業を目指す取り組みと言えますね。
有機JAS認証のコーヒー
グァテマラ・ペルー・エクアドル、3ヵ国のオーガニックコーヒーを試せる、有機コーヒー初心者におすすめのセット!
「雪を頂いた山」という意味を持つコロンビアのシエラ・ネバダ農園のJAS認証オーガニックコーヒー。ローストアーモンドの様な香ばしさが楽しめます。
アンデス山脈を望む地で、インカの末裔の人々によって育まれたペルーのオーガニックコーヒー。程よい酸味と柔らかな風味ながら、後味にコクを感じます。
レインフォレスト・アライアンス認証
レインフォレスト・アライアンス【Rainforest Alliance】は、「熱帯雨林同盟」という意味です。
その名の通り、熱帯雨林の保護を目的とした団体です。長い名前なのでよくRA認証と略されます。
小さな緑のカエルのマークなのは、カエルは健全な生態系を示す指標生物だからです。
熱帯雨林やそこを住処とする野生動物、水資源の保護、働く人々の労働環境向上を目指し、地域コミュニティ、生産農家、消費者それぞれに恩恵を与えることができる営農活動に改善していこうという取り組みです🐸。
先進国の消費者は、このマークのついたコーヒーを買うことによって生産国の熱帯雨林の保護にも貢献できるというわけなのです🌳🌳🌳。
「環境保全を目的にしているということはオーガニックなの?」と気になる方もいると思いますが、RA=有機栽培というわけではありません。
農薬の使用は完全に禁止されているわけではなく、限定され厳しく管理された範囲内での使用は認められています。
RA認証のコーヒー
ブラジルの名門ダテーラ農園のコーヒー。生産・栽培・収穫・精選・輸出までのすべての過程において、完璧を目指し、収穫時期や、どのような農法で生産されたロットかなど、全てデータベースで管理されています。バランスの優れたカップが特徴です。
2016年度にカップ・オブ・エクセレンスを受賞したグアテマラのメルセデス農園のコーヒー。重厚な甘みとオレンジのような明るい酸味が特徴です。
インドネシアのマンデリンG1グレードのRA認証コーヒー。
香りは焼き立てのビスケットのような芳ばしさで、力強い苦味とコクを持つファンの多いコーヒーです。好きな焙煎度合いを選べるという嬉しいサービス付き!
フェアトレード認証
フェアトレード【Fair Trade】とは「公平・公正な貿易」という意味です。
そのまんまですが、「フェアに取引しようじゃないか!」という取り組みで、FLO認証と略されます。
フェアじゃない取引とは一体どんなものか!?というと、先進国でとても安い価格で販売されている商品があったとして、生産国ではその安さを実現するため、多大なしわ寄せを食っていたりするケースです。
正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために農薬がたくさん使用され、環境破壊や健康被害が起こっていたり・・😨。
こんな、人にも環境にも優しくないやり方では、生産者が美味しくて品質の良いものを作り続けていくことなどできません。
そこで、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い生産者・労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」が作られました。
フェアトレード認証は、経済だけでなく、社会、環境など3つの基準があります。
経済的基準
- フェアトレード最低価格の保証
- フェアトレード・プレミアムの支払い
- 長期的な取引の促進
- 必要に応じた前払いの保証など
社会的基準
- 安全な労働環境
- 民主的な運営
- 差別の禁止
- 児童労働・強制労働の禁止など
環境的基準
- 農薬・薬品の使用削減と適正使用
- 有機栽培の奨励
- 土壌・水源・生物多様性の保全
- 遺伝子組み換え品の禁止など
生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが、フェアトレードにとって重要なポイントになっています。
FLO認証のコーヒー
スペイン語で「雪を頂いた山」を意味するシエラ・ネバダ農園。コロンビアの最高峰で山頂が万年雪に覆われている事からこの名前が付けられました。
コロンビアらしい濃厚な特徴とカリブ海らしいすっきり感、ナッツ感があり、バランス良く飲みやすいコーヒーです。有機JAS認証も取得しているオーガニックコーヒーです。
有機エチオピア 中煎 55%、有機グアテマラ 中煎 45%のフェアトレードモカブレンド。香り高く爽やかな味わいのコーヒーです。フェアトレードとともに有機JASも取得しているオーガニックコーヒーです。
グアテマラ・ウエウエテナンゴ エリアのコーヒー。
1杯だけ淹れたい時に便利なドリップパックです。 軽やかな苦味と、後を引かない、さっぱりとした酸味が特徴です。
バードフレンドリー認証
渡り鳥が休息する森で生まれたコーヒーを「バードフレンドリー®コーヒー」と呼びます🐤。
バードフレンドリー【Bird Friendly】は、渡り鳥の生息地になる森林を守るため、スミソニアン渡り鳥センターが中心となって進めている環境保護プログラムです。
1年間に約5億匹の鳥たちが、世界中を旅すると言われていますが、自然環境が破壊されるに伴い、渡り鳥はどんどん減少していきました😢。
鳥類学者・環境学者・地理学者が研究した結果、シェードグロウン(木陰栽培)を維持するコーヒー農園が渡り鳥の生息地となっていることを発見し、1999年、バードフレンドリー®認証プログラムが始まりました。
コーヒーの栽培には、シェードグロウン(木陰)とサングロウン(直射日光)があり、シェードグロウンは、シェードツリーと呼ばれる背の低い木々の木陰でコーヒーを育てる伝統的かつ持続可能な農法です。
バードフレンドリーは、熱帯の森林を利用したシェードグロウン(木陰栽培)かつ、有機栽培で生産されたコーヒーをプレミアム価格で買い取ることで、生産農家を支えながら森林伐採も防止し、そこで休む渡り鳥を守るプログラムです。
コーヒーから生まれた収益は、このプログラムを創設したスミソニアン渡り鳥センターの研究調査資金として、世界中の渡り鳥保護・生態系保護のために利用されています。
バードフレンドリー®コーヒーの認証を取得するためには2つの基準があります。
- 有機栽培
- 自然林に近い環境を保つシェードグロウン(木陰栽培)
農園のシェード(木陰)の構造が自然林に類似していなければならないなど、独自の規定があります。
バードフレンドリーは、鳥だけでなく、多様な生物の保護につながる取り組みとなっています。
バードフレンドリー認証のコーヒー
有機グアテマラ深煎50%、有機ホンジュラス中煎35%、有機エチオピア中煎15%によるバードフレンドリーブレンド。香ばしい苦みと濃厚な味わいのコーヒーです。
グアテマラのリゾート地アテトラン湖の南西にポチュタの町に位置するセイラン農園は、RA認証も取得している環境に優しい農園です。
自然のシェードツリーがコーヒーの樹を守るように栽培されています。
口当たりは優しく、酸は爽やか。長く持続する深い甘みが特徴のグルメカップ。
コロンビアの北部、サンタンデール州の東部に広がる「聖者の机」を意味するメサデ・ロス・サントス農園は、1600mの高地で、従来の伝統農法に近代的なマネジメントを取り入れ自然農法を進める名門農園です。
ナッツフレーバーにマイルドな甘みとコクがあるバランスの良いコーヒーです。
いろいろな認証まとめると・・
有機JAS
- 有機栽培:〇(有機栽培を保証するための認証です!)
- 環境保全:〇(農薬を使わないことで、環境を守っているよ)
- 生物保全:〇(環境に優しい農法で、結果的に生き物にも優しく)
- 労働環境:ー(オーガニックに特化した認証なので、特に規定はなし)
RA(レインフォレスト・アライアンス)
- 有機栽培:△(制限された範囲内で農薬の使用は可)
- 環境保全:〇(熱帯雨林を守るのだ!)
- 生物保全:〇(カエルマークに見られるように、生態系保護を重要視!)
- 労働環境:〇(生産者にも配慮しています)
FLO(フェアトレード)
- 有機栽培:△(有機を奨励しているが、制限された範囲内で農薬の使用は可)
- 環境保全:〇(環境にも優しい配慮)
- 生物保全:〇(多様な生態系を守る取り組み)
- 労働環境:〇(経済的にも社会的にも生産者を守るよ!)
バードフレンドリー
- 有機栽培:〇(オーガニックのみを認証対象にしています)
- 環境保全:〇(森林を守るため、伝統農法を推しているよ!)
- 生物保全:〇(渡り鳥たちを守るのだ!)
- 労働環境:〇(プレミアム価格で買い取り生産者支援!)
最後に・・
このように、自然環境や生態系、人々の生活を良い状態に保つことを目指して生産・流通されたコーヒーを、総称してサステイナブルコーヒーと呼んでいます。
なかにはダブル認証、トリプル認証など、2つ以上の認証を取得している意識高めな農園さんなんかもあったりします。
コーヒーを飲むときには、生産者さんの取り組みにも目を向けて、応援していくのもいいんじゃないでしょうか。
あなたの選んだ1杯が、環境保護に役立っているとしたら、いつものコーヒーブレイクがなんだかちょっと嬉しい時間になりますよね☕。